フェイスリフトについて
院長によるフェイスリフト解説動画のご案内
アジア人は皮膚・皮下組織が厚く、重く、頬骨やエラが張り出しているため、フェイスリフトで引き上げる際に抵抗が強く、効果を出しにくい傾向があります。
治療法はこれまで皮膚を切除するだけの方法や顔面の筋膜であるSMASを引っ張るSMAS法、リガメントを処理するリガメント法、糸などを組み合わせるハイブリッド法など報告されてきましたが、一つの方法で良好な結果を出すことは難しく、フェイスリフトの限界が言われてきました。
一方、2007年にアメリカの形成外科医であるRohrichが顔面の脂肪はそれぞれ区分けされていて、各々が加齢とともに増えたり減ったりするというFat compartmentという概念を提唱しました。欧米ではFat compartmentを利用したフェイスリフトの報告がありますが、日本ではヒアルロン酸などの注入に置いて注目されていましたが、これを利用したフェイスリフトの報告はありませんでした。私はこれに着目してフェイスリフトを2014年から行なっており、2016年から学会で発表しております。
学会発表
2016年第39回日本美容外科学会(JSASP)
・フェイスリフトにおけるInferior jowl compartmentの処理の有用性
2017年第40回日本美容外科学会(JSASP)
・Fat compartment理論に基づいたフェイスリフト
最近では国内最高峰の形成外科の学術誌である克誠堂「形成外科」のフェイスリフトの特集で論文を掲載しました。
2019年4月号特集 フェイスリフトup to date
Fat compartment理論に基づいたアジア人に適したフェイスリフト-Lift &Trim-
Fat compartmentは浅部と深部の2層にわかれています。
欧米で報告されている方法は白人種(コーカソイド)を対象にしたもので、骨格や軟部組織の性状が異なるアジア人にそのまま当てはめるわけにはいきません。私は日本人を含むアジア人に適したフェイスリフトを考案し、行なっております。
単純に引っ張るだけでは顔の表面の凹凸は改善しません。そこで考案した方法
「Lift & Trim」をおこなっています。
Lift & Trimとは
たるみは従来、皮膚やSMASの緩みと考えられてきましたが、日本人を含む多くのアジア人に対しては不十分で、脂肪の蓄積も考慮しなければなりません。欧米では長年、加齢とともに脂肪は減ると考えられてきましたが、fat compartmentの概念では増える脂肪もあります。これを減量する必要があります。
たるみの層構造を図にすると下記のようになります。

たるみは図のように皮膚、皮下脂肪(superficial fat compartment)、SMASによって形成されています。
まず「Lift」でSMASの緩みを解消します。

そして皮下脂肪(superficial fat compartment)の凹凸をなめらかにする「Trim」を行ないます。

そしてSMAS固定し、皮膚を縫合してなめらかなフェイスラインを作ります。

傷痕も目立たないように切開する方法を行なっております。この点も学会で発表し、評価をいただいております。
学会発表
2017年第40回日本美容外科学会(JSASP)
・フェイスリフトにおける耳前部切開デザイン 新型フェイスリフト耳変形に対する予防
手術について
手術は静脈麻酔または全身麻酔で行います。手術時間はフェイスリフトのみで6時間ほどです。術式としては両側の耳の前からもみあげの前、耳の前から耳の後方へ切開する方法で行います。皮膚の下を広く剥離し、浅筋膜であるSMAS(スマス)を引き上げます。余分な皮膚を切除し、皮膚を縫合します。血液を抜くドレーンを挿入して手術を終了します。
手術後について
翌日ご来院いただき、ドレーンを抜きます。ネックリフトをされた方は、術後2日目にもご来院いただき、アンカリングという首の簡単な抜糸をします。
フェイスバンドは72時間外せません。シャワーは翌日から首から下のみ可能です。72時間以降はフェイスバンドを外してシャワーしていただいて大丈夫です。シャンプーは抜糸の翌日から可能です。。
フェイスバンドは最初の1〜2週間はできるだけ長く装着し、その後は夜間だけ3ヶ月続けます。
内出血は1〜2週間、大きな腫れは2週間です。1〜3ヶ月はむくみが顔の下半分に溜まりますので、すこしたるんで見えます。治癒が進めば、むくみが解消し、顔がひきしまって、シャープな輪郭(フェイスライン)になってきます。その後の検診は1ヶ月、3ヶ月6ヶ月、場合によっては1年です。
治療に適している方
・フェイスラインがはっきりしない方、不明瞭な方
・顔の輪郭が逆三角や卵型だったのが、四角やホームベース型になってきた
・法令線やマリオネットラインが目立つようになってきた
・皮膚がやわらかく、たれている方
ホームベース型タイプ

皮膚がやわらかく、法令線やマリオネットラインが目立つタイプ

症例写真
傷あとの例 38歳女性
左:術前、右:術後13ヶ月

54歳女性
上:術前、中:術後1ヶ月、下:術後6ヶ月

術後は血液を排出するドレーンを入れて、翌日に抜去致します。1週間後に抜糸になります。
当院の経過ですが、内出血は1〜2週間、大きな腫れは2週間です。1〜3ヶ月は軽度むくんでいますので、むくみが顔の下半分に溜まりますので、すこしたるんで見えます。治癒が進めば、むくみが解消し、顔がひきしまって、シャープな輪郭(フェイスライン)になってきます。
術前/術後6ヶ月

患者さまは20代女性です。
他院で顎変形症手術を受けられて、術後に顔の皮膚のたるみが生じてしまい、実年齢よりも老けてみえていましたので治療を希望されました。フェイスリフト、ネックリフト、脂肪吸引術を行ないました。術後は顔のフェイスラインが卵型になり、なめらかなラインになりました。見た目がぐっと若返り、喜んでいただきました。
治療を受けられない方
当クリニックの特徴
日本人を含むアジア人の形態特徴にあわせて工夫を行なっております。その内容を形成外科の最高峰の学術誌に掲載され、評価をいただいております。安全性に関しては感染予防、血腫予防、神経刺激装置を用いて顔面神経麻痺の予防、傷痕を目立たなくする工夫などを行なっています。
よくある質問
- フェイスリフトの効果について教えてください。
- 脂肪吸引、Fat compartmentの処理、SMASの引き上げなどをしっかりと行ないますので、効果はずっと続きますが、若干の皮膚表面の緩みが加齢とともに生じますので、照射系の治療を定期的にすることをオススメしています。
- 痛みはありますか?
- 鈍い痛みが生じますが、触ったり、大きな表情をしたりしなければ生じません。痛み止めを内服することでコントロールできることがほとんどです。
- 腫れはありますか?
- 当院は広く剥離するので、腫れは強く出る傾向があります。術後2週間は腫れが強く、徐々に改善してきます。その後腫れは気にならなくなってきますが、腫れが完全に落ち着くのは術後6ヶ月です。
- 治療後に気をつけることはありますか?
- 腫れを悪化させないためにも圧迫をしっかりとしていただく必要があります。マジックテープ式のフェイスバンドの装着をします。辛いもの、熱いもの、お酒、タバコは控えてください。頭をすこし挙上して生活するとむくみの改善に役立ちます。
施術後に消炎鎮痛剤を 7日間処方いたします。
施術後3日間は注入部位を冷却しておくと腫れが悪化するのを防ぐことが出来ます。
治療を受けられない方
妊娠、授乳中の女性。出血傾向・凝固能異常のある方。免疫力低下がある方。
リスク・副作用
・出血
手術中は丁寧に止血しながら操作を行いますが、出血の程度によっては術後、皮下に血腫(血のかたまり)が出来る事があります。血腫が少量であれば経過をみますが、多量の場合は血腫除去術が必要になることがあります。
・傷あと
傷あとは時間の経過とともに目立たなくなってきますが、アフターケアや体質により目立つ場合があります。また傷の部分に毛髪が生えない、耳の軽度の変形を来す可能性があります。
・腫れ
強い腫れは1〜3週間続きますが、徐々に改善してきます。完全に腫れが引くのは3~6ヶ月かかります。
・痛み
傷の痛みが生じます。特に強いのは最初の2~3日です。時間の経過とともに痛みの頻度、程度は改善していきます。
・引き上がりの左右差
顔の組織、皮膚の余りはもともと左右差があるものですので、完全な左右差を無くすことはできません。
・たるみの残存
腫れが引くと緊張が緩み、多少のたるみは再発します。
・表面の凹凸
頬表面などに凹凸が生じることがあります。治癒過程に傷が硬くなる1〜2ヶ月に目立つことがありますが、時間とともに改善していきます。
・顔面神経麻痺
顔面の浅筋膜であるSMAS(スマス)下を剥がす際に顔面神経のそばを通ります。細心の注意を払っていますが、神経への刺激で一時的に麻痺を生じることがあります。麻痺した場合は表情の左右差が生じます。発生率は1〜2%で、数ヶ月以内に改善することがほとんどです。
・知覚鈍麻:剥離した範囲の感覚が鈍くなります。徐々に回復してきますが、完全には戻らないことがあります。
・皮膚壊死
皮膚の血流が悪い、圧迫の偏りで生じる可能性があります。
・糸の露出
傷を縫合する際に中縫いを行いますが、糸の一部が傷から露出することがあります。露出した場合は緊急で行う必要はありませんが除去が必要です
ので来院ください。
・薬アレルギー
医学の発展により、薬物に対するアレルギーの頻度は減少していますが、理論上は全ての薬物にアレルギーの可能性があります。重篤なアレルギーが生じるとショック状態に陥り、生命に関わる事があります。症状が生じた場合は手術を中止する事があります。
・感染
手術は消毒後、厳重な清潔操作のもとに行いますが、まれに術前後の局所や全身の状態が影響して感染を起こす場合があります。その場合は洗浄、抗菌薬の投与などの処置を要し、通院が必要になることがあります。
・床ずれ(褥瘡)
長時間手術により、背中、おしり、かかとに発赤、水疱を来す場合があります。時間とともに症状は改善していきます。
・深部静脈血栓症
長時間手術の場合、下肢の静脈に血栓が形成され、肺静脈に流れ、呼吸障害をきたすことがあります。手術中はマッサージ機で予防します。
施術費用
フェイスリフト
| ベーシックフェイスリフト(もみあげ〜耳前部〜うなじ) | 1,450,000円/1,150,000円 |
|---|---|
| スタンダードフェイスリフト(もみあげ〜耳前部〜うなじ) | 1,750,000円/1,420,000円 |
| プレミアムフェイスリフト(もみあげ〜耳前部〜うなじ) | 2,150,000円/1,825,000円 |
※術前検査 採血:8,000円
※ベーシックフェイスリフト:SMAS・リガメント処理あり、腫れ抑制ライト(当日のみ)
※スタンダードフェイスリフト:SMAS・リガメント処理あり、腫れ抑制ライト・腫れ抑制高周波(術後1週間以内の診療日はすべて照射)腫れ抑制の漢方
ボリューム調整治療(アラガンヒアルロン酸3本) 肌質(ジュベルック1回) メンテナンス ウルティマ3回、高周波400ショット1回、CO2フラクショナルレーザー1回
※プレミアムフェイスリフト:SMAS・リガメント処理あり、腫れ抑制フルコース(ライト・高周波・超音波、漢方)
ボリューム調整治療(アラガン ヒアルロン酸 コラーゲン注射) 肌質改善(ジュベルック、その他)メンテナンス ウルティマ 高周波XERF CO2フラクショナルレーザー
術後1年間 施術し放題(内容については医師の診察の上、行うことで効果が見込める範囲内で行います。)
ネックリフト
| ベーシックネックリフト | 250,000円/195,000円 |
|---|---|
| スタンダードネックリフト | 350,000円/270,000円 |
| プレミアムネックリフト | 550,000円/430,000円 |
※首のたるみ向け。フェイスリフトと同時のみ行います
※ベーシックネックリフト:広頸筋縛り、広頸筋カット(脂肪吸引なし、脂肪切除なし)
※スタンダードネックリフト:広頸筋縛り、広頸筋カット、脂肪吸引、脂肪切除
※プレミアムネックリフト:広頸筋縛り、広頸筋カット、脂肪吸引、脂肪切除、顎二腹筋切除、顎下腺切除





