鼻中隔延長術

鼻の穴の真ん中に位置し鼻先を支えている「鼻中隔軟骨」の先端に、本人から採取した軟骨を継ぎ足すことで、鼻先まで鼻中隔軟骨の支持性を延長し、鼻先を前方や下方など、希望の位置に固定する施術です。
鼻先には鼻翼軟骨(びよくなんこつ)と呼ばれる、柔らかくて可動性の高い軟骨がありますが、そのままだと鼻先の位置はあまり安定しません。鼻中隔延長術することで、しっかりと位置を固定できます。

鼻中隔延長術でできること

鼻中隔延長術では、下記のような悩みを改善できる可能性があります。

  • 短い鼻を長くしたい
  • 上向きの鼻を下向きにしたい
  • 正面から鼻の穴が見えるのが気になる
  • 鼻先をスッと高くしたい
  • シャープな鼻先にしたい

手術について

手術は静脈麻酔、または全身麻酔で行います。両側の鼻の穴の中を切開して行うクローズ法と鼻柱と呼ばれる部分に切開を加えるオープン法があります。
クローズ法では外から傷が見えません。しかし、オープン法に比べて手術が難しくなります。左右のバランスを整えるのが難しく、鼻先や鼻柱が傾いてしまい、延長が不十分になる可能性があります。
オープン法では、鼻柱を切開・剥離して鼻中隔延長を行います。
鼻中隔を延長するには鼻中隔軟骨の下縁に板状のものを継ぎ足す必要があります。この板状のものとしては、鼻(鼻中隔)の軟骨・耳の軟骨・胸の肋骨の内側の部分にある助軟骨の3ヶ所から選択する事になります。患者様から採取した組織を移植し、鼻中隔を延長します。

Method

オープン法

移植により延ばした鼻中隔軟骨を鼻翼軟骨に固定し、長さや角度など微調整を行い、理想の位置を決めていきます。
位置が決まったらバランスを確認し、縫合を行います。ドレーンが入っている場合は翌日に抜去します。

手術後について

ドレーンが入っている場合は翌日ご来院いただき、ドレーンを抜きます。手術終了後ギプスを装着します。翌日から首から下はシャワーをしていただいてかまいませんが、顔、頭はギプスをつけているため1週間濡らすことができません。1週間後に抜糸にご来院していただきます。鼻の状態によってはギプスの装着期間が長くなる場合があります。その後のギプスの装着については医師の判断になります。その後の検診は1ヶ月、3ヶ月、半年になります。

鼻先の手術の種類

スーチャーテクニック

糸を使用して鼻先を細くしたり、高くしたりする施術です。鼻翼軟骨がしっかりした方に向いた施術なのですが、アジア人のように鼻先が低くて柔らかい人種の方は、支える力が不充分なので不向きです。

オンレイグラフト

耳介軟骨を鼻先に移植することで、鼻先を細くしたり、高くしたりする施術です。スーチャーテクニックと同様、鼻翼軟骨がある程度硬くないと、充分な効果が期待できません。

インプラント

シリコンなど人工物を鼻先に乗せる施術です。長期的には鼻先を変形させる可能性や皮膚が薄くなる可能性、シリコンが移動する可能性があるため、日本ではあまり用いられなくなってきた施術です。
鼻の施術は数多くありますが、鼻中隔延長術でしかつ実現できない鼻の形態もたくさんあります。鼻の施術をお考えの方は、一度当クリニックにご相談ください。

 

鼻中隔延長術のデメリット

鼻先を整える手術として優れている鼻中隔延長手術ですが、2つデメリットがあります。

(1)鼻先が硬くなる

(2)鼻の通りが悪くなってしまう

鼻中隔に軟骨を移植するため、鼻中隔が少し厚くなり、鼻の通りが悪くなります。鼻づまりが悪化してしまうため、アレルギー性鼻炎がある方や鼻中隔が曲がっている方は注意が必要です。

当院の特徴

鼻先の位置がたった1mm違うだけで、顔の印象は大きく変わります。そのため当院では、丁寧にカウンセリングを実施。解剖学の知識に基づき、一人ひとりのお顔立ちに合わせ、ベストなデザインをご提案します。術前シミュレーションに基づき、テンプレートを作成し、手術中に予定位置に鼻先を作成します。
院長の牧野が美容外科のトレーニングをした『リッツ美容外科(東京)』は、日本で最も多く、鼻の手術を手掛けているクリニックの1つです。鼻中隔延長術も同クリニックで学びました。
鼻中隔延長術を成功させるには、確かな技術と経験が不可欠です。当院では、経験豊富な医師が施術をいたします。

よくあるご質問

ダウンタイムはどのくらいですか?
術後1週間はギプスを装着します。抜糸は1週間後です。
個人差がありますが、強い腫れは1週間〜10日は続きます。徐々に改善していきますが完全に腫れが引くのは3〜6ヶ月かかります。
痛みはどのくらいですか?
患者さまにより個人差はありますが、手術の間は麻酔もありますので、術後の痛みに関しても痛み止めで抑えられる程度の場合がほとんどです。

リスク、副作用

・鼻尖の曲がり
鼻中隔軟骨の曲がり、移植軟骨の曲がり、軟骨の脆弱性により生じる可能性があります。
・皮膚の陥凹変形・皮膚壊死
修正術が数回になると生じる可能性が高くなります。
・移植軟骨の輪郭が浮き出る
軟骨が厚く、皮膚が薄い場合に生じる可能性があります。
・出血
手術中は丁寧に止血しながら操作を行いますが、出血の程度によっては術後、皮下に血腫(血のかたまり)が出来る事があります。
・感染
手術は消毒後、厳重な清潔操作のもとに行いますが、まれに術前後の局所や全身の状態が影響して感染を起こす場合があります。その場合は洗浄、抗菌薬の投与などの処置を要し、通院が必要になることがあります。
・痛み
傷の痛みが生じます。特に強いのは最初の2~3日です。時間の経過とともに痛みの頻度、程度は改善していきます。
・腫れ
強い腫れは1週間~10日続きますが、徐々に改善してきます。完全に腫れが引くのは3~6ヶ月かかります。
・薬アレルギー
医学の発展により、薬物に対するアレルギーの頻度は減少していますが、理論上は全ての薬物にアレルギーの可能性があります。重篤なアレルギーが生じるとショック状態に陥り、生命に関わる事があります。症状が生じた場合は手術を中止する事があります。
・傷跡:傷跡は時間の経過とともに目立たなくなってきますが、アフターケアや体質により目立つ場合があります。
・深部静脈血栓症
長時間手術の場合、下肢の静脈に血栓が形成され肺静脈に流れ、呼吸障害をきたすことがあります。

施術費用

鼻中隔延長術

耳介軟骨移植 733,000円/630,000円
肋軟骨移植 835,000円/721,000円